糸永真一司教のカトリック時評 - P.Itonaga

0年0月の記事

「現代世界憲章」発布50周年

カトリック時評2015

教会の刷新と現代化を目的に、1962年10月に始まった第2バチカン公会議は、4年後の1965年12月に閉会した。公会議が発した16の公文書のうち、最後に出されたのは『現代世界における教会に関す…

ザビエルが出会った日本人

8月15日は聖フランシスコ・ザビエルが日本最初の宣教師として鹿児島に上陸した記念日である。ザビエルは日本の宗教と文化に偉大な影響を与えたが、彼が見た日本人はどんな人間だったのか。発達した物質文…

カトリック教会の平和運動

カトリック時評2015

戦後70年の今年、戦争と平和についての論議が盛んである。カトリック教会は「平和の福音」を生きて広める使命を持つ者として、この問題に無関心でいることはできない。すでに何度も平和の問題に触れてきた…

「全キリスト」とは

「全キリスト」という言葉をご存じだろうか。現在、この言葉はあまり使用されないが、「キリストと教会」の神秘、すなわち、わたしたちとキリストの一体性の神秘を表す極めて貴重な言葉であるから、その意味…

“神のうちに生き、動き、存在する”

カトリック時評2015

「わたしたちは神のうちに生き、動き、存在する」(使徒言行録17,28)という聖パウロの宣言は、もともとキリストを知らないギリシャの前6世紀の詩人エピメニデスの言葉であったというから、すべての人…

聖霊の働きを知る

天におられる父なる神は、人類を救うために独り子と聖霊を世に遣わされた。独り子、つまり人となられた神の御子イエス・キリストについてはよく知られていると思うが、聖霊については余り知られていないので…

「反知性主義」について

カトリック時評2015

昨年あたりから、反知性主義という言葉が聞かれるようになったが、一体、それは、具体的には何を意味するのか。先日、新聞の広告欄で内田樹編『日本の反知性主義』の出版を知ったので買って読んでみたが、ど…

教会に戦争責任を問えるか

カトリック教会にいわゆる昭和戦争の責任を問えるか? 答えは否である。教会はあくまで宗教団体であって、政治団体ではないからである。「国権の発動」である戦争の全責任は国家権力にしかあり得ない。教会…

“病める家族”とその癒し

カトリック時評2015

最近、『家族という病』という下重暁子の本の広告が朝日新聞に繰り返し大きく掲載され、しかもすでに15,5万部を突破した(4月21日付)とあるのを見て、大いに驚くと同時に、“これまで神聖化されてき…

堅信の秘跡のカテケージス

今月24日は聖霊降臨祭であり、過越の神秘の恵みを受けて教会が公式に出発した日である。こうして、わたしたちは、聖霊と教会の時代に生きているわけだが、信者にとって聖霊降臨ともいえる堅信の秘跡は極め…

戦艦武蔵に見る戦争の愚かさ

カトリック時評2015

去る3月初め、フィリピンはレイテ島沖に無残な姿で沈んでいる大型戦艦武蔵ガ発見されたというテレビニュースを見て、当時の長崎やそこで体験した戦争の記憶がよみがえってきた。戦艦武蔵は三菱長崎造船所で…

聖霊と教会の時代の到来

主の復活祭(今年は4月5日)から聖霊降臨の主日(今年は5月24日)までの50日間は、「復活節」と称して、「一つの祝日」として、また、より適切には「大いなる主日」として、主の復活とその実りについ…

第2バチカン公会議から50年

カトリック時評2015

今年、2015年は、戦後70年、信徒発見150年など、周年記念が目白押しだが、中でも注目したいのは「第2バチカン公会議終了50年」ではないかと思う。けだし、第2バチカン公会議(1963-65)…

キリストの復活の意味と力

「キリストは、聖書にしるされているとおり、わたしたちの罪のために死んだ。また聖書にしるされているとおり、葬られ、三日目に復活した。ケファに現れ、次に十二使徒に現れた」(1コリント15,3b-5…

若者に人生の理想と使命感を

カトリック時評2015

オーム真理教によって引き起こされた地下鉄サリン事件から20年ということで、さまざまな議論が巻き起こったが、中でも、なぜ知的レベルも高い若者たちが忌まわしい事件にかかわることになったのか、そのわ…

聖なる過越の三日間

今年の四旬節もいよいよ大詰め、主キリストの受難と復活を記念する「聖なる過越の三日間」(Sacrum Triduum Paschale)を迎える。この聖なる過越の三日間は、一年を通して記念するキ…

復活のキリスト、希望のしるし

カトリック時評2015

戦後70年の今年は、第2バチカン公会議閉幕50周年でもある。矛盾に満ちた現代世界を見るとき、50年前に教会が示した「世界分析」はいまもそのまま通じることを、次の文章を読んで感じた。少し長い引用…

洗礼による再生の恵み

キリストの死と復活、すなわち「過越の神秘」を記念する復活徹夜祭は、求道者にとっては洗礼の秘跡、信者にとっては洗礼の約束の更新のときとされる。洗礼はキリストの死と復活、すなわち過越の神秘にあずか…

キリスト教の本質を問う

カトリック時評2015

教会はさる2月18日から四旬節が始まり、4月5日のキリストの復活祭の準備の季節を送る。つまり、この季節は、キリスト教信仰の本質を問い直し、キリスト教的生活の原点に戻る重要な季節である。では、キ…

四旬節における悔い改めとは

去る2月18日の灰の水曜日をもって今年の四旬節が始まった。四旬節は、潜伏キリシタンたちは「悲しみの季節」と呼んだが、現在は「悔い改め(回心)の季節」とも呼んでいる。では、四旬節とは具体的に何を…