教会学校の夏期キャンプ

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教会学校の夏期キャンプ

カテゴリー 折々の想い 公開 [2009/07/25/ 00:00]

教会学校のキャンプ

教会学校のキャンプ

7月も終わりのころになると思い出す。主任司祭だったころの教会学校夏のキャンプのことである。あの頃、総勢400人余りのわたしの小教区には小・中学生合わせて70人ばかりの信者の子供たちがいた。この子供たちにとって、海に近いカトリック幼稚園を借りて行われる2泊3日の夏期キャンプは、かけがえのない教会学校の思い出となる目玉行事であった。

周知のとおり、教会司牧の仕事は多様多岐にわたる。大分前に読んだあるフランスの教会の新聞が主任司祭を「総合的専門家」と呼んだほどである。しかし、主任司祭の仕事で何よりも大切なのは、委託された小教区共同体のリーダーとして、具体的な宣教プランを確立してこれを実施することでなければならない。そうした全体的な観点に立ってみても、子供たちの信仰教育は優先的な重要事項である。特に幼児洗礼の子供たちが、親と教会の信仰によってただでいただいた信仰の恵みを、今度は自分の頭で理解し、自分の意思で選びとること、いわば信仰の人格化が必要であり、こうして、多くの非カトリック者の友だちやテレビ・漫画(今ではインターネットや携帯)から入ってくる多様化し相対化した価値観に迷うことなく、確固とした自分の人生を築かなければならないのである。そのため、わたしは子供たちの教会学校(要理教育)には全力を傾注した。当然、子供たちの夏期キャンプはその一環として実施された。

この夏期キャンプは子供たちの夏休みの初めに行われた。通学の緊張が弛緩する前でなければその効果が半減するからである。しかし、夏休みの入るとすぐに水泳教室などの学校行事が行われるので、学校の了解と許可を取るために「教会学校保護者会」が学校側と交渉して問題は簡単に解決した。PTAの要求に対して学校は柔軟である。夏期キャンプの費用は小教区の予算で全部まかなわれた。親の負担をなくして、子供たち全員の参加を得るためであると同時に、小教区の子供たちの信仰教育費は小教区共同体が共同責任で負担するという方針を貫くためである。こうして、小・中学生全員が夏期キャンプに参加していた。

あの頃、長崎では夏休み中に信者の子供たちの「年の黙想会」と実施する習慣があった。大人たちの年の黙想会は主として四旬節中に行われたが、子供たちのために夏休みを利用したのである。わたしの教会の夏期キャンプは、弁当持参で教会に集まり、説教とゆるしの秘跡とミサといった黙想会を、海水浴などのレクリエーションを含む楽しい合宿形式に変えて行ったもので、当時の長崎では新しい試みであった。でも、これはただのレクリエーションではない。そのため、キャンプの計画は綿密なプランの下で実施された。そのメインテーマは「生活の中の祈り」とされ、二泊三日の日程の中で朝の祈り、食前食後の祈り、晩の祈り、そして、ミサ典礼を、その意味の具体的な説明と共に、実際に体験されるように工夫されたのである。

そのために、教会学校の通常のクラス分けで日程が組まれ、教会学校担当のシスターや若いレジオ・マリエ会員たちが手分けしてクラスを担当し、主任司祭から渡されたカリキュラムに従って授業を行い、きめ細かい祈りの指導が行われた。こうして、子供たちは合宿生活の楽しさの中で、日常生活でいつ、どのように祈るかを体験した。そして、この祈りの体験が家庭の中で継続できるよう、保護者たちにもキャンプの内容が知らせ、家庭生活の中の祈りを習慣化するようお願いした。

夏期キャンプにおいては、真面目な勉強や祈りの体験ばかりでなく、海水浴やキャンプファイヤーなどの楽しみも計画に盛り込まれていた。キャンプの会場は長崎の港の反対側にある茂木の町にある、レデンプトール会経営のカトリック幼稚園をお借りした。近くにはきれいな茂木海水浴場があり、午後の時間は海水浴にあてられ、教会の高校生やボランチアの青年たちが子供たちの安全のために奉仕してくれた。子供たちは学校の水泳教室よりも楽しい海水浴の体験に歓声を上げていた。夕食後は、二晩続けて幼稚園の庭でキャンプファイヤーを満喫した。なお、食事の準備や風呂などのお世話は婦人部のレジオ・マリエ会員や保護者有志が無償で手伝ってくれた。

最終日は、ゆるしの秘跡と感謝のミサで日程を終えた。ミサではそれぞれの今後の信仰生活目標を手紙の形式で祭壇に奉納し、新しい生活をスタートさせた。保護者たちは子供たちの奉納された決心カードをもらって一様に感激していた。

このように、わたしの小教区の子供の夏期キャンプは小教区共同体あげての信仰教育の実践であったのであるが、あの子たちは今どうしているのだろう。



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