第六戒(2)貞潔への招き

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第六戒(2)貞潔への招き

カテゴリー 折々の想い 公開 [2014/02/01/ 00:00]

聖血礼拝修道女会聖ヨゼフ修道院

独身の召命を生きる人々

貞潔への招きはキリスト教独特の教えである。性の解放を謳歌する現代社会において貞潔の徳は極めて重要であると言わなければならない。では、教会が教える貞潔とは何か。

「貞潔とは、性欲のみごとな人格的統合であって、それによってもたらされる肉体と精神を併せ持つ人間の内面的な統一を意味する。人間が肉体的かつ生物学的世界に属することを示す性欲は、人格と人格とのかかわりの中で、男性と女性とが時間に捕われることなく互いに全てを贈り物とする時、人格的かつ真に人間的なものとなる。したがって、貞潔の徳は人格の統合と全面的な自己贈与を含んでいる」(『カトリック教会のカテキズム』n.2337)。

【人格の統合】

「純潔な人格は、己の中にあるいのちと愛の能力をそのまま保持している。この完全性は、人格の統一を保障し、人格の統一を損なう一切の行為に抵抗する。それは二重生活も二枚舌も容認しない」(n.2338)。

「貞潔は自己抑制の習得を必要とする。これは一つの人間的自由の教育である。そこには明らかに二者択一がある。すなわち、人間は諸欲を支配して平和を得るか、諸欲に身を任せて不幸になるか。 (n.2339)。

「洗礼の約束に忠実に留まり、誘惑に抵抗したいと望む者は、そのための手段をとるよう努めなければならない。すなわち、自分を知ること、その時の状況に応じた禁欲の実践、神の掟への従順、倫理諸徳の履行、そして祈りへの忠実である」(n.2340)。

「貞潔の徳は情欲や感覚的欲求を理性に従わせる枢要徳・節制に属する」(n.2341)。

「自己抑制は息の長い仕事である。誰もそれを一度で永久に獲得できたと考えてはならない。それは生涯を通じて繰り返される努力を前提とする。求められる努力はある年ごろ、例えば幼児期から青春期までの人格形成期には、より重要となるであろう」(n.2342)。

「貞潔には不完全さやしばしば罪によって特徴づけられた段階を経る成長の法則がある。

『人間は、数多くの自由な決断を通じて日々、有徳で貞潔な自己を築いていく。こうして人間は成長するにつれて道徳的善を知り、愛し、それを実現する』(福者ヨハネ・パウロⅡ世)」(n.2343)。

「貞潔は極めて個人的な努力の問題であるが、それは同時に文化的な努力の問題でもある。なぜなら、人間(ペルソナ)の進歩と社会の発展とは相互に依存しているからである。貞潔は人権の尊重、特に人間生活の道徳的霊的側面を尊重する情報や教育を受ける権利を前提としている」(n.2344)。

「貞潔は倫理的徳である。それは同時に神の賜物であり、恩恵であり、霊的わざの実りである。聖霊は洗礼の水によって再生した者にキリストの純潔に倣う恵みを与える」(n.2345)。

【完全な自己贈与】

「愛徳は全ての徳の魂である。その影響のもとに、貞潔は自己贈与の学び舎のようになる。自己抑制は自己贈与につながる。貞潔はこれを実践する者を隣人に対して神の忠実と優しさの証人となす」(n.2346)。

「貞潔の徳は友情となって開花する。貞潔は、ご自分の友としてわたしたちを選び、わたしたちに全てを与え、そして、わたしたちを神性にあずからせて下さったキリストに、どのように従い倣うべきかを弟子たちに示す。貞潔は不死の約束である」

貞潔は特に隣人への友情の中に現れる。同性または異性の間に育まれた友情は全ての人に大きな善を提供する。それは霊的共同体に導く」(n.2347)。

【貞潔の多様な形】

「全ての受洗者は貞潔に招かれている。キリスト者はあらゆる貞潔のモデルであるキリストを着た者(ガラチア3,27)である。キリストのすべての弟子は、それぞれの生活身分に従って純潔な生活を送るよう招かれている。洗礼の時に、キリスト者はその感情を貞潔によって制御するよう約束したのである」(n.2348)。

「貞潔は『それぞれ異なる生活身分に叶った性質を帯びなければならない。たとえば、奉献された処女または独身者は、優れた仕方で、より容易に、分かたれない心で神に身を捧げる。他の者はすべて、既婚者か独身者かによって規定された道徳の形態をとる』。既婚者は結婚の貞潔を生きるよう呼ばれている。他の者は、禁欲の中で貞潔を守る(n,2349)。

「婚約者は、禁欲の中で貞潔を守るよう招かれている。この試練に身を任せることにより、彼らは相互尊重の精神を体験し、忠実と、お互いを神から授けていただく希望とを学ぶことになる。彼らは結婚の時まで、夫婦愛の特別な愛情表現を指し控えるべきである。彼らは貞潔な人間として成長するよう助け合わなければならない」(n.2350)。



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