折々の想い

折々の想い

聖職者の苗床―神学校は「教区の心臓」

公開 [2009/09/11/ 00:00]

この9月14日、わたしは司祭叙階57周年を迎える。司祭職を目指してわたしが小神学校に入学したのは、太平洋戦争が始まった昭和16年(1941)の春だった。国宝大浦天主堂の傍にある1875年(明治8年)建…

教会の成人年齢は18歳

公開 [2009/08/25/ 00:00]

法務大臣から昨春諮問を受けていた法制審議会の民法成年年齢部会は先月20日、成人の年齢を20歳から18歳に引き下げることが適当とする最終報告書を取りまとめた。新聞報道などによると、国民の受け取り方は様々…

09カトリック平和旬間に

公開 [2009/08/10/ 00:00]

カトリック平和旬間

8月6日の広島原爆から9日の長崎原爆を経て15日の終戦記念日までの10日間は日本カトリック司教団が設定した“カトリック平和旬間“である。今年もわたしは一人のカトリック者としていろいろと考えをめぐらした…

教会学校の夏期キャンプ

公開 [2009/07/25/ 00:00]

7月も終わりのころになると思い出す。主任司祭だったころの教会学校夏のキャンプのことである。あの頃、総勢400人余りのわたしの小教区には小・中学生合わせて70人ばかりの信者の子供たちがいた。この子供たち…

神の国を証する独身

公開 [2009/07/10/ 00:00]

先日、知り合いのシスターが訪ねてきた。知り合いと言っても、もう半世紀以上も前、わたしが司祭として駆け出しのころ、彼女が修道志願者のころからの知り合いである。今、彼女は鹿児島教区内の入来修道院(写真)在…

小教区の人口をどう数えるか

公開 [2009/06/25/ 00:00]

「あなたの小教区の信者は何人ですか」と尋ねると、たいていの人は「名簿上は000人ですが、教会に来るのは000人です」と答えるのが普通である。そのたびにわたしは不思議な感慨に浸る。小教区の所属信者の数え…

悪霊と戦う司祭たち

公開 [2009/06/10/ 00:00]

教皇ベネディクト16世はさる3月16日、教皇庁聖職者省総会参加者への謁見において、「アルスの主任司祭」聖ヨハネ・マリア・ヴィアンネー(1786-1859)の没後150年を記念して、2009年6…

教会、神秘的なエバ

公開 [2009/05/25/ 00:00]

聖アンブロジウスの肖像画全聖書の最初の本、創世記は、女(エバ)の創造について語る。「主なる神はそこで、人(アダム)を深い眠りに落とされた。人が眠り込むと、あばら骨の一部を抜き取り、その跡を肉でふさがれ…

「聖母月信心」の思い出

公開 [2009/05/10/ 00:00]

かつての教会では青葉かおる5月は「聖母月」とされ、さまざまな聖母信心が行われていた。典礼(公的礼拝)重視を打ち出した第2バチカン公会議の後、私的信心(民間信仰)を軽視する傾向が生まれた。この傾向を心配…

罪の世のあがないのために

公開 [2009/04/25/ 00:00]

今年も無事に聖週間を迎えることができた。そして、主の十字架の神秘を黙想しながら、毎日ミサを続けることの幸せを実感している。現役を引退した隠居の身であるわたしは、司教館のチャペルでミサをささげているので…

終身助祭がいる教会

公開 [2009/04/10/ 00:00]

今年の聖週間も聖木曜日から復活徹夜祭までの「聖なる三日間」は近くの鴨池教会の典礼に参加することにした。鴨池教会にはわたしが叙階した「終身助祭」がいて、うちの聖週間には叙階の秘跡の三つの位階、すなわち司…

善きサマリア人のたとえの解釈

公開 [2009/03/25/ 00:00]

アンリ・ド・リュバク著『カトリシズム―キリスト教信仰の社会的展望』(小高毅訳・エンデルレ書店・1989)は、教父たちの教えを詳細にわたって引用しかつ纏めていて、実に読み応えのある名著であるが、ここには…

ある高校の四旬節ミサの思い出から

公開 [2009/03/10/ 00:00]

カトリック教会はさる2月25日の灰の水曜日から今年の四旬節に入った。そう言えば、56年前の1953年の早春、わたしはモントリオール市内のある高校の四旬節ミサに通っていた。司祭叙階後も大神学院に留まって…

天国のイメージと個人主義

公開 [2009/02/25/ 00:00]

「このような(天国)の希望は、近代になってますます厳しい批判にさらされるようになりました」。婦人たちの読書会で今読んでいるベネディクト16世の回勅『希望による救い』(カトリック中央協議会訳)の一節(1…

2月11日は『世界病者の日』

公開 [2009/02/10/ 00:00]

教皇ヨハネ・パウロ2世は1993年、「ルルドの聖母の記念日」である2月11日を「世界病者の日」と定めた。聖母マリアは、救い主キリストの母として、十字架のもとに立って御子の苦しみに深くあずかり、同時に、…

聖パウロの回心に想う

公開 [2009/01/25/ 00:00]

教会は1月25日に聖パウロの回心を記念する。「パウロ年」に当たり、その回心を偲び、その意義を考えるのはあながち無意味ではないだろう。 まず、聖パウロの生誕二千年を記念する「パウロ年」につ…

『聖母像の到来』を読んで

公開 [2009/01/09/ 00:00]

キリスト教生活に聖画像は欠かせない。教会にも信者家庭にも必ず十字架像や聖母像などの聖画像が飾られている。信仰教育においては視聴覚教材として重要だ。その聖画像について、わたしは最近考える機会を得…

人々を教会に招くクリスマス

公開 [2008/12/25/ 00:00]

クリスマス・シーズンを迎えて、わたしは今、長崎・八幡町教会時代を思い出している。若かったとはいえ、クリスマスは重労働の二日間だった。24日の朝から青年たちの協力を得て教会の飾りつけに汗を流し、夕方7時…

鹿児島教区の恩人、結城了悟神父

公開 [2008/12/10/ 00:00]

さる11月17日、キリシタン史家で、1962年の開設以来40年余りにわたって日本26聖人記念館(長崎市)の館長を務め、また四半世紀に及ぶ188日本殉教者の列福調査の中心となって働いた結城了悟神父が、念…

188日本人殉教者の列福

公開 [2008/11/25/ 00:00]

薩摩の殉教者レオ税所七右衛門を含む188日本人殉教者の列福式が11月24日、長崎で盛大に行われた。日本で行われた最初の記念すべき列福式にわたしは参加できなかったが、長い間の念願がかなってこんなに嬉しい…