カトリック時評

カトリック時評

医療の限界と人間の希望

公開 [2007/12/01/ 00:00]

カトリック時評2007

身体の医療は重要であるが、そこには様々な制約や限界がある。しかし、キリスト教信仰は「究極の健康」と「いのちの開花・充満」を約束する 日本カトリック看護協会第49回全国大会が去る11月9日、鹿児島…

「家族の日」について

公開 [2007/11/15/ 00:00]

カトリック時評2007

「結婚して子どもを産み育てることが当たり前と皆が自然に考える社会」を目指し、「子育てや家族についての意識改革」(以上、内閣府「家族・地域の絆再生」プロジェクトチーム)を図る日と言うが・・・ …

「教育バウチャー制度」を問う

公開 [2007/11/01/ 00:00]

カトリック時評2007

市場原理主義に基づいて教育事業に競争原理を取り入れるこの制度、果たして大丈夫だろうか ホームページを開いてちょうど一年。ここで選んだテーマも同じ教育問題になった。あのあと教育基本法と関連法案が可…

共産主義の発端と終焉

公開 [2007/10/15/ 00:00]

カトリック時評2007

北朝鮮のことを心配したり議論したりしていると、話しはどうしても共産主義の問題になってしまう。そこで、共産主義の初めと終わりを概観しておくのも一興であろう。 1)共産主義の始まり 18世紀の終わりか…

靖国神社参拝の是非について

公開 [2007/10/01/ 00:00]

カトリック時評2007

―自ら「宗教法人」になることによって、靖国神社はどう変わったか― 最近、わたしのホームページに書き込みがあり(「教育基本法改正案をめぐって」の項)、カトリック信者にとって靖国神社の参拝は、その祭神に…

韓国の太陽政策をめぐって

公開 [2007/09/15/ 00:00]

カトリック時評2007

―拉致被害対策はこれでよいのか。ゆるしと和解が先決では― 韓国と北朝鮮の南北首脳会談が11月に延期されたと聞いて残念に思った。先代の金大中大統領の決断によって7年前に開催された第一回南北首脳会談は、…

富裕層ブームの到来

公開 [2007/09/01/ 00:00]

カトリック時評2007

 ――抑制なき資本主義(規制緩和)が生んだ弱肉強食の野蛮な社会―― 「いまどきのお金持ち研究」と題する中央公論8月号の特集記事は、いまどきの日本がどのような道を歩いているかを知る一つの手がかりを与え…

存在か所有か

公開 [2007/08/15/ 00:00]

カトリック時評2007

人類の未来はわれわれの道徳的選択にかかっている(ヨハネ・パウロ2世) 前教皇ヨハネ・パウロ2世は1981年2月25日、世界最初の原爆被災地広島を訪れ、平和公園における「平和アピール」の後、隣接の広島…

わたしの戦争体験から

公開 [2007/08/01/ 00:00]

カトリック時評2007

すでに戦後62年、戦争は遠くなった。でも、暑い夏がやってくると思い出す。わたしは少年時代を戦時下の長崎で過ごした。小学3年でシナ事変が始まり、中学1年のとき太平洋戦争が勃発、旧制中学を卒業して兵隊に取…

自殺防止の決め手はあるか

公開 [2007/07/15/ 00:00]

カトリック時評2007

ある日の昼のニュースで「過労死・過労自殺に関する電話相談」が行われていることが報じられていた。そういえば、先般の警察庁の発表によると、昨年の自殺者は全国で3万2千155人に達し、9年連続で3万人を越え…

教師の教育的権威と尊厳

公開 [2007/07/01/ 00:00]

カトリック時評2007

――失われた教師の教育的権威と尊厳の回復こそ、教育再生の鍵―― 教育再生論議の中で学校教師の資格が厳しく問われている。その中で気になることがある。それは、教師の能力や実務に関する議論ばかりで、人生の…

子どもは親だけの責任ではない

公開 [2007/06/15/ 00:00]

カトリック時評2007

――こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)が提起したもの―― こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)の運用が始まった。赤ちゃんポストについては反対論や慎重論もかなりあったが、賛成論が次第に大勢を占め…

衰えぬ人命軽視の風潮

公開 [2007/06/01/ 00:00]

カトリック時評2007

―どうすれば繰り返される殺人の悲劇を克服できるか― 長崎市長銃殺事件や米国の大学における大量銃殺事件は衝撃的であった。しかし、このところ中近東その他における自爆テロやその報復をはじめ、内外における殺…

道徳教育は良心の教育

公開 [2007/05/15/ 00:00]

カトリック時評2007

教育再生会議は「道徳の時間」を徳育として「教科」に格上げすることを提案している。これに対し、ある全国紙の社説は、「必要な徳性を養うことに誰しも異論はない」と総論に賛成しながら、「こころに点数はつけられ…

人はなぜ、何のために働くのか

公開 [2007/05/01/ 00:00]

カトリック時評2007

人間は活動することによって物と社会を変えるばかりでなく、自分自身を完成させてゆく 5月1日は労働者の祭典・メーデーの日でもある。1886年5月1日、アメリカのシカゴで始まったメーデーは、わが国では1…

カトリック学校への期待

公開 [2007/04/15/ 00:00]

カトリック時評2007

カトリック学校は宗教的真理探求の場であり、日本の文化継承の場である 4月は入学の季節。今年も多くの子どもたちが胸膨らませて入学を済ませたことであろう。時あたかも教育改革の論議が日本中で続いている。そ…

政治家の資質と使命

公開 [2007/04/01/ 00:00]

カトリック時評2007

――政治は、成熟した大人の「困難で高貴な技術」である―― 今年は統一地方選挙や参議院選挙がある。多くの国民が今、わが国の行く末を案じ、選挙結果に関心を寄せている。科学・技術、人口構成、意識や価値観ほ…

政教分離の原則について

公開 [2007/03/15/ 00:00]

カトリック時評2007

――政教分離の原則は、政治と宗教との本質的な分野の違いによるものである―― 政教分離の問題はいろいろな意味で多くの人を悩ませてきたが、そのポイントは二つある。すなわち、わが国においては国家神道という…

愛国心の問題について

公開 [2007/03/01/ 00:00]

カトリック時評2007

――祖国愛は人間の社会的本質に基づく当然の務め―― 教育基本法改正に関連して、愛国心の問題が注目を集めた。では、愛国心とは何か。世間にはさまざまな意見がある。だが、「忠君愛国」のイメージを払拭できな…

いのちの神秘とその召命

公開 [2007/02/15/ 00:00]

カトリック時評2007

いのちは神秘である。そして、いのちの神秘の解明は有史以来、人類の根本的な課題であった。そのいのちが、今日も、さまざまに脅かされ、虫けらのように殺害されている。だから、あらためていのちの神秘と召命につい…