カトリック時評

カトリック時評

全国学力テストの公表問題

公開 [2013/11/25/ 00:00]

カトリック時評2013

先日来、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の調査結果の公表問題に関して多様な議論が交わされているが、総体的に後ろ向きの議論が多いのではないか。結果公表がもたらすマイナス面より、もっと前向きの考え…

人間は大勢(おおぜい)でも、その本質は一つ

公開 [2013/11/10/ 00:00]

カトリック時評2013

今日の世相を見るに、人類は、さまざまなところで、さまざまな形で、互いに分裂して相争い、殺し合いまでやっている。しかし、人間各々の本心は平和を求め、一つになることを望んでいるのではないか。ここに人間の矛…

規範なき道徳教育は無意味

公開 [2013/10/25/ 00:00]

カトリック時評2013

去る9月18日の朝日新聞は、文部科学省が来春、「心のノート」の改訂を企画していると、次のように報じている。「来春、小中学校に配る文部科学省の道徳教材「心のノート」の改定版には、多くの偉人伝が掲載されそ…

人間は神を知ることができるか?

公開 [2013/10/10/ 00:00]

カトリック時評2013

前回見たように、人間は神に向けて造られているから、多くの人が神を信じて生きていると思われる。しかし、物質文明華やかな現代は神を信じて生きることの難しい世の中でもある。現代人は果たして神を知ることができ…

人間の真実と幸福はどこに?

公開 [2013/09/25/ 00:00]

カトリック時評2013

どのような形であれ、幸福を求める人間は「神を渇望する」存在であると言えよう。真の幸福は神のうちにのみあるからである。問題は、神を求めていながら神を知らないことであり、自分が求める幸福が神のうちにあるこ…

消費主義からの脱出のメッセージ

公開 [2013/09/10/ 00:00]

カトリック時評2013

「教皇フランシスコは消費主義を害悪として非難し、教会への所属で得られる真の幸福を脅かすと指摘した」と、去る8月18日付のカトリック新聞は「バチカンCNS」ニュース』と報じた。“消費主義”を非難し否定す…

サンフランシスコ講和条約から62年

公開 [2013/08/25/ 00:00]

カトリック時評2013

サンフランシスコ講和条約が締結された1951年9月8日、わたしはカナダのモントリオール大神学院にいた。第二次世界大戦で日本が戦ったいわば敵国で、大勢の欧米人の中で聞く講和条約調印のニュースはまた、格別…

和魂洋才の時代に戻るのか

公開 [2013/08/10/ 00:00]

カトリック時評2013

来る8月15日は68回目の終戦記念日である。日本国がボッタム宣言を受け入れて無条件降伏したあの日は、新生日本の新しい出発点となった。しかし、安倍政権は「日本を取り戻す」という。その真意はどこにあるのか…

社会に対する個人の責任と参加

公開 [2013/07/25/ 00:00]

カトリック時評2013

このところ、国民の国政参加が低調である。国政選挙における投票率や国民年金の保険金の納入などの低下が心配され、生活保護費の不正受給も問題になっている。そこで、社会に対する個人の責任と参加にいついて、カト…

少子化論の現状とその盲点

公開 [2013/07/10/ 00:00]

カトリック時評2013

少子高齢化が叫ばれて久しい。そして、高齢化対策ばかりでなく、少子化対策についても多くが語られ、その対策も国や民間によって数々進められてきたが、いまだにその成果は上がってはいないようだ。 過日、…

人は神なしには生きられない

公開 [2013/06/25/ 00:00]

カトリック時評2013

人は神なしには生きられない。人間は一人ひとり、創造主なる神によって造られ、生かされているからである。にもかかわらず、多くの人が神を無視し、あるいは否定して、自分の力で生きているかのように勝手に生きてい…

増殖するブラック企業の恐怖

公開 [2013/06/10/ 00:00]

カトリック時評2013

先ごろ「ブラック企業」なるものの存在を知って大変驚いた。「働いても働いても貧しくなる」ワーキング・プア・非正規雇用が騒がれて久しいが、“正社員”として採用しておきながらその大半を使い捨てにするブラック…

憲法改正言論議について思うこと

公開 [2013/05/25/ 00:00]

カトリック時評2013

安倍自民党政権の誕生によって憲法改正論議が盛んになった。憲法を改正するのは国民であって、両議院の3分の2以上の発議に基づき、国民投票の過半数の賛成を得て成立するから、国民一人ひとりの意識を高め、国民的…

家庭は「社会の生きた細胞」

公開 [2013/05/10/ 00:00]

カトリック時評2013

東北大震災や福島原発事故を契機に家族のきずなの重要性が改めて認識されることになったが、その一方で相変わらず家庭の崩壊が進んでいる。わが国の将来を考えるとき、家庭の健全化のための努力は欠かせない。では、…

人間労働の価値と目的について

公開 [2013/04/25/ 00:00]

カトリック時評2013

今、わが国ではアベノミクスのおかげか、就職難は少しずつ改善されているようだが、非正規労働者の問題は解消されるどころか、増加の傾向にあるように思う。人間の労働とは何か、メーデーを前に、あらためて考えて見…

学校教育に対する親の権利と責任

公開 [2013/04/10/ 00:00]

カトリック時評2013

このところ、いじめや体罰問題と絡んで学校教育への風当たりは厳しい。だが、学校教育に対する親の権利や責任について語られることが少ない。時として学校に対する親の正当な言い分とモンスターペアレントの不当な要…

道徳の教科化は必要か

公開 [2013/03/25/ 00:00]

カトリック時評2013

政府は去る1月、「21世紀にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を実行に移していくため」として「教育再生実行会議」を内閣府に設置したが、同会議は去る2月26日、いじめ対策の提言を首相に提出した。 …

浜矩子著『新・国富論』を読んで

公開 [2013/03/10/ 00:00]

カトリック時評2013

昨年暮れ、浜矩子著『新・国富論―グローバル経済の教科書』(文春新書)が出版された。 「アダム・スミスになり代わって世界経済を読み解く」とカバーにある通り、今日のグローバル経済について語っていることにひ…

体罰問題と教師のモラル

公開 [2013/02/25/ 00:00]

カトリック時評2013

大阪市立桜宮高校でバスケットボール部の男子生徒が体罰を受けて自殺した問題が起きて以来、体罰の善し悪しやその防止策について議論が沸騰し、それに全日本女子柔道部監督の暴力問題も絡んで、師弟関係のあり方が問…

交響曲第9を合唱する日本人

公開 [2013/02/10/ 00:00]

カトリック時評2013

やや時期外れだが、年末のテレビ放送と言えば紅白の歌合戦とベートーベンの交響曲第9番であろう。紅白歌合戦の方は全く興味ないが、第9の方は何となく心惹かれ、今回は三つも聞いてしまった。 最初に視聴…