カトリック時評

カトリック時評

「新型出生前検査」をめぐって

公開 [2013/01/25/ 00:00]

カトリック時評2013

「胎児の状態を知る『新型出生前検査』の臨床研究と応用をめぐる議論が盛んだ。この検査は、妊婦の血液から胎児の特定の染色体の状態を知ることができ、これまでの検査よりも妊婦の身体的負担が少ないことと検査精度…

教会は「救いの普遍的秘跡」

公開 [2013/01/10/ 00:00]

カトリック時評2013

「キリストは、生命を与えるご自分の霊を弟子たちに遣わし、その霊によってご自分の体、すなわち教会を救いの普遍的秘跡(Universale salutis sacramentum)として建てられた」(教会…

「貧しさ」、キリスト教のキーワード

公開 [2012/12/25/ 00:00]

カトリック時評2012

キリスト降誕の神秘的な夜、天使たちは羊飼いたちに告げて言った。「恐れることはない。わたしは、すべての民に及ぶ大きな喜びの訪れをあなた方に告げる。きょう、ダビデの町に、あなた方のために、救い主がお生まれ…

「キリストの秘義」は「人間の秘義」

公開 [2012/12/10/ 00:00]

カトリック時評2012

今年もクリスマス・シーズンがめぐってきた。カトリック教会では、キリスト降誕祭前の4週間は「待降節」と呼び、幼子キリストをふさわしく迎える準備を始める。今回は、教会はなぜキリストの降誕をこれほど大事に祝…

“働きたくない者は、食べてはならない”

公開 [2012/11/25/ 00:00]

カトリック時評2012

「勤労を尊び、生産を祝い、国民互いに感謝し合う」国民の祝日・勤労感謝の日に思いを致し、また、最近の労働事情、たとえば生活保護不正受給問題などを考えているうちに、「働きたくない者は、食べてはならない」と…

“目的は手段を正当化しない”

公開 [2012/11/10/ 11:00]

カトリック時評2012

人間的行為の倫理性に関連して、表記の言葉が教会で古くから教えられてきたが、これは、第2バチカン公会議に従って20年前に改訂された新しいカトリック要理書『カトリック教会のカテキズム』にも明記された。その…

第2バチカン公会議の歴史的意義

公開 [2012/10/25/ 00:00]

カトリック時評2012

さる10月11日、カトリック教会において第2バチカン公会議開幕50周年を記念する「信仰年」が始まった。公会議は、カトリック教会においてばかりでなく、全世界にも重大な意味をもつ一大イベントであって、無視…

増え続ける“児童虐待”事件

公開 [2012/10/10/ 00:00]

カトリック時評2012

さる9月6日に警察庁が発表したところによれば、今年上半期(1~6月)に事件として対応した児童虐待は昨年同期比62%増の248件で、統計がある2000年以降では最多であるという。 このショッキン…

いじめに負けない子を育てる

公開 [2012/09/25/ 00:00]

カトリック時評2012

さきに(8月25日付)、「いじめない子を育てるために」、隣人を尊重する良心の形成について論じたが、今回はもう一つの観点、すなわち「いじめに負けない子を育てる」にはどうしたらよいかについて論じたい。 …

政治的混乱の中で「政治の本質」を問う

公開 [2012/09/10/ 00:00]

カトリック時評2012

この9月は、二大政党の党首選びがあり、政治の季節ともいえるが、今年は小沢一郎元民主党代表の離党・新党結成騒ぎなど、政治的な混乱が続いた。評論家たちはこぞって「政治の劣化」を指摘するが、真相はどうなのか…

いじめをなくするために何が必要か

公開 [2012/08/25/ 00:00]

カトリック時評2012

大津の中学生の自殺とその原因とみられるいじめの問題が、その原因や事後処理の追求で様々な議論が繰り広げられたが、いじめや自殺の真の原因究明には程遠い気がする。いじめや自殺の歯止めは何なのか、あらためて考…

世界平和は一人ひとりの心に始まる

公開 [2012/08/10/ 00:00]

カトリック時評2012

今年も世界平和について考える季節がやってきた。平和といえば、いきなり国際平和や戦争自体を考えがちだが、平和は一人ひとりの心に始まる。心の平和という基礎の上に世界平和を築くことも忘れてはならない。 …

プライバシーという名の個人主義

公開 [2012/07/25/ 00:00]

カトリック時評2012

先々月30日付の朝日新聞“耕論”欄に『孤立死に向き合う』という記事があった。「誰だかわからず、誰にも気づかれずに亡くなる人が後を絶たない。なぜ?と思うけど、それは他人事だろうか」と問題提起をしていた。…

不可知論とキリスト教

公開 [2012/07/10/ 00:00]

カトリック時評2012

前回(6月25日)述べた「無神論に対するキリスト者の挑戦」は、同時に、不可知論への挑戦でもある。なぜなら、真のキリスト者は日々神を体験し、キリストを体験して、これを宣べ伝えているからである。 第…

無神論に対するキリスト者の挑戦

公開 [2012/06/25/ 00:00]

カトリック時評2012

「無神論は現代の最も重大な課題の一つに数えられる」(現代世界憲章19)と第2バチカン公会議は言明した。この問題について、公会議教父の間では激しい議論が交わされたという。今回はその無神論とこれに立ち向か…

第2バチカン公会議の平和メッセージ

公開 [2012/06/10/ 00:00]

カトリック時評2012

人類に対する第2バチカン公会議のメッセージの最後は「平和のメッセージ」である。神がキリストを通して明らかにした人類への愛と救いの福音は、すなわち「平和の福音」であり、これを宣べ伝えることが教会の本質的…

教会は政治について語る

公開 [2012/05/25/ 00:00]

カトリック時評2012

一切の人間的な事柄に関心を持つ教会は、第2バチカン公会議の現代世界憲章第二部第4章において政治について語った。政治は教会の所管事項ではないが、その意味と目的について教えることは教会の使命だからである。…

教会は文化について語る

公開 [2012/05/10/ 00:00]

カトリック時評2012

“人間は文化、すなわち自然の物と価値を耕作することによってのみ、真の完成した人間性に近づいて行く”(現代世界憲章53)。現代世界に語りかける教会は「文化」の問題を避けて通ることはできない。文化は人間の…

公会議は経済について語る

公開 [2012/04/25/ 00:00]

カトリック時評2012

人類に語りかけ、人類に奉仕する教会は、第2バチカン公会議において「経済」について語った。経済活動は教会の使命ではないが、経済の意味と目的、すなわち経済の霊性と倫理性について語るのは教会の使命だからであ…

結婚と家庭は神が定めた制度

公開 [2012/04/01/ 00:00]

カトリック時評2012

第2バチカン公会議(1962-65)は現代世界憲章の第2部で、「若干の緊急課題」として結婚と家庭、文化、経済社会、政治共同体、そして平和の問題を取り上げて論じている。今回は「結婚と家庭」の問題を取り上…